不気味の谷を越えるロボット
投稿日時:2017-07-06 10:05:45
皆さんは「不気味の谷現象」という言葉をご存知でしょうか? ロボットの外見がデフォルメのきいたデザインであるうちは、人間は比較的好意的に受け止めます。しかし。人間の姿に近づくにつれて、損好感度はどんどん下がていってしまうのです。さらに、そこからまた一歩すすんでより人間にちかづき、人間とほとんど変わらない外見を獲得すると、今度は再び好感度があがるのだそうです。
あくまで仮説で、しっかりとした根拠があるわけではありちませんが、海外の実験でこの仮説を裏付けるような実験結果は、アメリアの大学で報告しているそうです。単純にロボットが人に似るくると違和感が強くなる、という話ではなく、一定ラインを越えて人間とそん色ない外見になると違和感や嫌悪感が、再び好感に変わるというのが興味深いです。何だか科学の話なのに少し哲学的ですね。
この「不気味の谷現象」は、人間がいかに視覚に感情を左右されるかの証明であると共に、機械が人間の共感力を獲得するくらいに、外観を人間に似せる技術が開発されていることの証明でもあります。ロボットだけではありません。たとえばファンタジーやSFに出てくる魔物や宇宙人だって、ほんの少し前までは特撮、着ぐるみ、特殊メイクでした。それが今は、CGで他の人間の登場人物と並んで違和感がないほど自然に登場しています。
CG技術も、ロボットそのものの作成技術も、少なくとも外観に関しては、科学は「不気味の谷」を越えることに成功しているのです。今後人工知能が発達していけば、人間と同様の感情を獲得するロボットが生まれるかもしれません。そんなSFな世界に行ってみたいものですが、そうなると今度はロボットに「人権」はあるのか、といった別種の問題が発生しそうですね。